2025 年 81 巻 2 号 論文ID: 24-00147
火山灰質土であるしらすは多孔質で破砕性に富んでおり,普通砂より液状化しやすく,過去の地震においては泥流状の崩壊被害などをもたらしている.固相としてのしらす土粒子単体の強度や変形,摩耗性に関する性質を定量的に把握するために,十和田しらす軽石から小型供試体を整形して土粒子に見立て,一軸圧縮試験,小型繰返し一面せん断試験装置による摩耗試験を行った.その結果,十和田しらす軽石の圧縮強度は400~6200kPaとコンクリートの1/3~1/50倍,ヤング率は30~1100MPa,体積弾性係数は11~370kPaと低く変形性に富む材料であった.また,摩耗量は平均0.0027g/cm2/m/kPaで,面心立方格子での累積相対変位,拘束圧,質量交換を仮定して,間隙比,理論B値に及ぼす影響を定量的に把握した.