2025 年 81 巻 2 号 論文ID: 24-00010
水中の調査を無人で実行するAUVは,水中における生産性向上技術の1つとして注目されている.本研究では,インターフェロメトリ音響測深機(PMBS)搭載のAUVを鳳来湖(宇連ダム)の堆砂状況調査に導入し,その有効性について精度・危険回避・コストの3つの観点から検証した.平均化処理した地盤高データではPMBSとマルチビーム音響測深機(MBES)で明瞭な差が認められなかったことから,PMBSはMBESと同レベルの測深精度を有していると評価された.PMBS搭載のAUVを導入した堆砂状況調査では,調査員の水中落下等の危険性を回避できるとともに,MBESを使用した堆砂状況調査の半数の調査員で対応可能であったため,艤装テストや測深に係る労力を50%程度軽減でき,その人件費も60%程度低減できると評価された.