2025 年 81 巻 2 号 論文ID: 24-00189
摩擦性塑性体におけるすべり線法での自重項を考慮した遷移域での応力の変移について,過去の文献において特性方程式が導かれることによって明らかにされたが,それは数学的処理が複雑なゆえに放置されており,解を得るためには差分法が利用される.また,未だに境界値問題やすべり線の形状の未解明など数多くの根本的な課題が残っている.本論文では,これらの問題を解消させるべく,すべり線の形状を解明し,主働域から受働域への応力の変移過程の論理的解釈を行い,新たな支持力計算法を提案した.この提案により,傾斜荷重,斜面勾配,地震慣性力が同時に考慮できる支持力計算式を導出した.本論文式と他の支持力計算式と比較を行い,妥当性について確認した.