気候変動適応事業の計画・評価に応用される不確実性下の意思決定手法

抄録

　近年，海外においては，「深い不確実性下の意思決定（Decision Making under Deep Uncertainty）」と呼ばれる研究分野が立ち上げられ，そこで提唱されている手法群を，水資源管理その他の分野で気候変動影響に適応した事業計画の作成や評価に応用する事例が増えている．本ノートでは，同手法群のひとつである「頑健な意思決定枠組（Robust Decision Making Framework）」について概説し，その適用事例を紹介する．今後，日本国内においても，気候変動適応事業を検討・評価する際，必要に応じ「深い不確実性下の意思決定」が提供する手法群の活用を検討していくことを提案する．