2025 年 81 巻 22 号 論文ID: 24-22007
共同溝の多くは高度経済成長期に建設され,適切な維持管理を行って長寿命化することが求められる.そのために必要な躯体の損傷情報は文書と写真による調書で管理されており,共同溝内部は似たような構造が多く,点検者は損傷位置を把握することが難しい.しかし,それを支援する情報システムは見あたらない.本研究では,共同溝点検時の損傷位置の精確な把握,および,損傷内容伝達の高度化と効率化を目的として,共同溝の損傷情報を3次元データを用いて点検者間で伝達するシステムを開発した.そこでは,共同溝を複数機器によって計測して構築した3次元データと2次元地図によって可視化し,損傷の位置と損傷名を3次元データによって,また損傷の状況を全方位画像によって示した.点検技術者による評価の結果,システムの有用性が示唆された.