2025 年 81 巻 22 号 論文ID: 24-22013
近年わが国では,自動車による運転の誤操作や故意な危険運転等による交通事故の発生が深刻な社会問題となっている.運転操作が必要ない自動化運転の技術開発が行われている一方,未だ導入には時間を要することが想定され,運転操作を支援し,事故を未然に防ぐ予防安全技術の推進は今後も必要である.
本研究では,予防安全運転技術の開発のアプローチとして異常検知技術が有効であると考え,個々の運転者の異質性を考慮した異常検知の閾値の検討方法について提案を行った.異常検知には少なからずの誤検知を含み,誤検知による誤った制御や警告は,運転者へのストレスだけでなく,信頼性の低下につながるため,個々の運転者の許容度合いを踏まえた設定が重要である.本研究ではこれまでに著者らが提案した異常運転検知手法を対象に検証を行った.