2025 年 81 巻 22 号 論文ID: 24-22015
マーカレスARは,特定のマーカを必要とせず屋内外で利用できるため,ナビゲーションや商品販促,建造物の維持管理,医療などの幅広い分野で役立てられている.特に,図面や点検台帳をはじめとするGISデータを現地でAR表現することのニーズは高い.著者らの先行研究では,SLAMを用いてリアルタイムに取得した平面の位置関係(距離や角度)からマーカを自動作成し,GISデータを対象にそのマーカを検索することでAR表現するシステムを開発した.しかし,AR表現後に計測者が移動すると,GISデータの重畳表示の位置にズレが生じる課題があることがわかった.そこで,本研究では,SLAMで新たに1つの平面を取得することで,リアルタイムに重畳表示の位置ズレを逐次補正する技術を開発した.実証実験の結果,重畳表示の位置ズレを逐次補正できることを確認した.