2025 年 81 巻 28 号 論文ID: 24-28003
近年,直交集成板(CLT)を橋梁の床版へ適用する事例が見られる.CLTは木材の繊維方向に対する性質の違い等により,力学的挙動は極めて複雑となる.著者らはCLTの力学的特性の数値解析に関する研究に取り組んできたが,得られた結果の妥当性について検証が十分行えていない.本研究ではCLTの曲げ試験とそれを忠実に再現した数値解析を実施し,実験値と比較することで解析結果の妥当性の検証を行う.結果,CLT製造用のラミナの繊維方向のヤング係数,曲げ試験における比例限界応力の実験値があれば,数値解析でCLTの挙動をおおよそ捉えられることが分かった.