土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
論文
過去の被災記録を活用した階層ベイズモデルによる岸壁の地震時フラジリティ曲線の構築
菅原 法城福永 勇介宮田 正史竹信 正寛住岡 直樹
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2025 年 81 巻 4 号 論文ID: 23-00296

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抄録

 本稿では,耐力側(構造物側)の特徴をより柔軟に取り込める地震時フラジリティ曲線(FC)の構築法を提案する.その事例として,耐力側の特徴である構造形式の種別(重力式岸壁,控え矢板式岸壁)の情報を対象に,種別間で共通する特徴(被災メカニズム,照査用震度の算定法,地震時土圧の算定法)と,種別に固有の特徴(水平方向外力への抵抗機構)が混合された問題と捉え,それらの特徴の効果を別のパラメータとして評価する混合モデルとして取り扱い,それを階層ベイズモデルで表現するFCの定式化を行った.また,MCMCを用いたパラメータとベイズ信頼区間の推定法を提案した.その上で,港湾分野で蓄積された過去の地震での被災記録,再現した地震動を基に,地震後即時に得られる速度 PSI 値から岸壁の被災判定が行えるFCを構築した.

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