2025 年 81 巻 4 号 論文ID: 24-00201
北陸地方の日本海沿岸の飛来塩分や海洋飛沫による厳しい塩害環境において,コンクリート中にステンレス鉄筋を埋設した供試体の暴露試験を行った.毎年の外観調査と3年目,10年目に解体調査を行った.普通鉄筋は,鋼材位置の塩化物イオン濃度が示方書に示された腐食発生限界塩化物イオン濃度に到達したと推定される頃に腐食が開始した.その後,腐食ひび割れが発生,経時的に成長する様子が観察された.ステンレス鉄筋は,土木学会指針に示されている腐食発生限界塩化物イオン濃度に達しても腐食が発生しなかった.ステンレス鉄筋,エポキシ樹脂塗装鉄筋,普通鉄筋を併用使用した際の異種金属接触腐食による腐食の促進は確認されなかった.