2025 年 81 巻 5 号 論文ID: 24-00253
ライトラインはネットワーク型コンパクトシティ形成のための幹線軸として計画され,2023年に日本初の全線新設のLRTとして開業した.導入に至るまでには,合意形成のために採算性や道路交通への影響が議論され,特に需要予測については,数々の調査が実施された.本研究はこれまでの需要推計に関わる議論を振り返り,実際の利用者数と比較することで予測の事後評価を試みる.具体的には,計画時の需要予測手法を再現し実際の利用状況と比較することで,LRTと既存交通手段の利用特性の違いを分析し,今後の需要予測に役立てることを目的とする.分析の結果,需要推計が高い精度であったこと,特に私事利用において予測を大きく上回っていることが分かった.また,沿線人口の増加やLRTと一体の商業施設開発が行われたことが原因と推測された.