2025 年 81 巻 5 号 論文ID: 24-00262
近年,車上計測された軌道変位差分による桁たわみ推定法の開発が進んでいるが,一般的な2台車方式の軌道検測車で得られる軌道変位差分には隣接橋りょうの影響が混在するため,その影響を考慮できる桁たわみ推定法がなく複数の単純桁が連続する区間への適用が困難であった.本研究では長大橋縦桁群を対象とした数値解析により,単純桁が連続する区間の軌道変位差分が各橋りょう分の重ね合わせで表現できることを明らかにし,各橋りょう単一の軌道変位差分を説明変数とした線形回帰により隣接橋りょうの影響を考慮して桁たわみを一括推定する方法を構築した.連続する5連の単純桁での検証の結果,提案手法は支承に変状がなければ,地上計測と誤差3%以内で桁たわみを一括推定できることを実証した.