2025 年 81 巻 8 号 論文ID: 25-00084
本研究は,波浪予報値の誤差を考慮して,翌日の海上作業の可否を判断するための許容波高予報値を求める方法を示した.著者らの以前の研究は,安全率を乗じた予報値,誤差のRMSを加えた予報値が作業限界波高以下であれば作業可能と判断し,その安全裕度を算定するものであった.本研究では予報誤差の90パーセンタイルおよび95パーセンタイルを取り入れて,翌日の海上作業が可能である許容波高予報値を全国的に算定した.予報誤差分布は,多くの場合,正規分布が仮定されるが,実際に正規分布に従う地点は少なく,多くは尖った,前傾した,後傾した三角形分布であった.こうした誤差分布を考慮して,全国60地点の許容波高予報値を一覧できるように表と図を作成した.