抄録
部材厚200mm以下の薄肉鉄筋コンクリート(RC)部材は,土木学会標準示方書による曲げひび割れ強度式の適用範囲外であり,精度の高い曲げ耐力算定手法の確立が求められている.本論文では,薄肉部材の4点曲げ試験を行い,曲げ破壊挙動を実験的に把握し,コンクリートの引張軟化特性を考慮して曲げ耐力算定手法を検討した.その結果,本研究で取り上げた供試体条件において,部材厚70mm以下の部材では,鉄筋が力学的に機能せず破壊に至り,部材厚80mm以上では,通常のRC部材として機能することが明らかとなった.また,各部材厚に対応した破壊エネルギー試験より,引張軟化曲線の形状は部材厚の違いにより変化することが確認され,新たに提案した2直線軟化モデルを耐力算定に適用した結果,耐力算定精度が向上することを確認した.