2012 年 68 巻 1 号 p. 38-48
本研究は,流動解析手法による実際の構造物を対象とした施工性の評価方法の確立を目的として,粒子法の1つであるMPS法を適用し,高流動コンクリートの流動解析手法としてのMPS法の有効性と課題について検討を行った.その結果,高流動コンクリートの構成則をbi-viscosityモデルとしたMPS法による流動解析結果は,高流動コンクリートのスランプフロー,Lフロー試験,CFTの充てん状況の流動挙動をよく表現でき,充てん性評価方法として有効であることを示した.実際の構造物を対象とした施工性の評価では,閉塞などの現象を評価するため,ビンガム流体の「分離限界点」を指標として,CFTの圧入時のダイヤフラム部付近における材料分離や閉塞の不具合の危険性について評価できる可能性があることを示した.