2013 年 69 巻 4 号 p. 438-449
本研究では,コンクリートのスランプをパラメータとして,実構造物の配筋をモデル化した要素試験体を用いて,コンクリートの締固め完了エネルギーから施工に使用したコンクリートが必要とする内部振動機の挿入間隔と振動時間を定量的に評価する方法を検討し,累積された内部振動機による振動エネルギーが,コンクリートの締固めを完了するのに必要なエネルギー以上となった範囲を締固め完了範囲とすることで,鉄筋コンクリートの締固め完了範囲を評価することが可能であることを実寸大試験体より検証した.また,仕上げの締固めを行う後追い締固めにおいては,コンクリートのモルタル分が流されないため,締固め時間を適当に長くしても品質上は問題がないことを検証した.