抄録
ポストテンション方式PC橋において,PCグラウト充填不足等によるPC鋼材破断事例が国内外を問わず報告されている.しかし,PC鋼材が破断した場合の安全性について,その性状を明らかにしたものはない.そこで,供用後40年経過したPC桁の材料特性,PCグラウト充填状況を調査するとともに,PCグラウト非破壊検査の適用性について検証した.また,PC鋼材を破断させてPC桁の載荷実験を行い,破壊性状を明らかにした.さらに2次元非線形解析を実施し,その曲げ性能を検証した.その結果,材料特性は,建設当時の特性をほぼ保持し,また,PC鋼材を破断させる前のPC桁の曲げ耐力は,材料の実強度などを考慮することにより約2割高い値を示すこと,PCケーブルを3/5束破断した場合でも,終局荷重に対して十分な曲げ破壊安全度を有することを明らかにした.