耳鼻と臨床
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症例報告
先天性外耳道閉鎖症にコレステリン肉芽腫を合併した 1 例
和田 昂荒井 康裕高田 顕太郎森下 大樹折舘 伸彦
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2024 年 70 巻 2 号 p. 57-63

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抄録

先天性外耳道閉鎖症は 1 万から 2 万人に 1 人発生する先天性疾患である。今回、片側性外耳道閉鎖症にコレステリン肉芽腫を合併した症例を経験した。症例は 4 歳、男児。出生時より右小耳症・外耳道閉鎖症・軽度の顔面形成異常のため他院の耳鼻咽喉科・形成外科で定期的に経過観察されていた。4 歳半での CT で後頭蓋窩の骨破壊を伴う乳突腔の軟部陰影を認めたため、真珠腫性中耳炎を疑われ当科紹介となった。精査の結果、外耳・中耳・内耳奇形を伴う真珠腫性中耳炎またはコレステリン肉芽腫の疑いで鼓室形成術・乳突削開術を施行した。手術では、乳突腔内に肉芽腫を認めたため摘出し、atresia plate と思われる厚い骨の隔壁を削開し耳管方向へ換気ルートを確保した。術後 1 年 9 カ月の CT で、含気化は良好で再発なく経過している。本症例のように、外耳道形成術の適応とならない中耳コレステリン肉芽腫症例では耳管方向への換気ルートの確保が重要である。

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