2016 年 72 巻 2 号 p. 146-164
本研究は,火薬庫や重要構造物などのコンクリート構造物に対する耐爆設計法の確立に資するため,各種材料で裏面を補強したコンクリート板の接触・近接爆発に対する耐爆性能について実験的に検討したものである.補強材料としては,1)ヤング係数および引張強度が大きいシート状材料,2)ヤング係数が小さく破断伸びが大きい高分子系材料,を用いている.実験結果から,コンクリート板に対する裏面補強が接触・近接爆発によって生じる局部破壊の低減に有効であることを確認した.また,補強材料の引張剛性が補強コンクリート板の耐爆性能の向上に影響していることが認められ,補強材料の引張剛性を指標として裏面補強の効果を評価した.