日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
急性腹症における異常所見の認知能力の向上に向けた取り組み
―学習テキストを利用して―
山田 晃弘大森 健太郎山口 均
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2020 年 23 巻 2 号 p. 156-161

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抄録

急性腹症における異常所見の認知能力の向上に向けた取り組みを行った。今回の取り組みは緊急を要する症例を『急性腹症診療ガイドライン2015』より選び出し,その症例ごとの異常所見をまとめた独自の学習テキストを作成し,そのテキストを使用した学習法を採用した。 また読影手順についても,誰もが簡単に認知できるように学習テキストに記した。その学習テキストを使用し学習前後で異常所見の認知能力がどのように変化するのか検討した。対象者は当院の診療放射線技師16名とし,学習前後で30問ずつ解いてその点数を比較した。結果は,学習前の平均点が12.6±4.43点に対して,学習後は18.8±4.19点(p<0.05)であり,平均点は有意に向上した。独自に作成した学習テキストは,異常所見の認知能力の向上に有用であった。

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