2016 年 72 巻 2 号 p. 41-55
本研究は厳しい塩害環境において架替え後15年が経過したPC箱桁道路橋の構造性能を評価したものである.供用中の橋梁の構造性能を評価するためには非破壊試験が前提となるため,本研究ではその剛性に着目し,車両による静的および動的載荷試験,重錘による衝撃振動試験,さらには加振器による強制加振試験を組み合わせ,その全体剛性,部材剛性,局所剛性を総合評価し得る枠組みを提案した.また,試験結果を考慮したFEM解析を実施し,検査範囲の異なる種々の振動試験の整合性や試験方法の妥当性を検証した.その結果,本橋の全体剛性は設計値とほぼ同等であったが,部材の一部には剛性低下が見られ,さらに局所的には剛性が大きく低下している箇所があることを明らかにした.