2016 年 72 巻 4 号 p. 355-367
高炉スラグ細骨材を用いることで,コンクリートの長期強度増進,乾燥収縮低減,中性化抑制等の硬化物性向上効果が得られることが知られている.本研究では,高炉スラグ細骨材の硬化物性向上のメカニズムを解明することを目的として,粒径の違いに着目し,モルタルの硬化物性に対する各粒径の特性を検討した.その結果,高炉スラグ細骨材は粒径が小さいほど強度増進や乾燥収縮低減の効果が高く,特に0.045mm程度以下の粒径の効果が高いことを明らかにした.次に,0.045mm程度以下の粒径の含有量がコンクリートの硬化物性に与える影響を検証した.その結果,0.045mm程度以下の粒径として高炉スラグ微粉末を5%程度加えることにより,圧縮強度が顕著に増進すること,および乾燥収縮や中性化に与える影響は小さいことを明らかにした.