抄録
ベトナム南部フーイェン省に位置するダラン河口においては河口砂州の発達が顕著である.しかし,近年,河口右岸の海浜において深刻な汀線後退が見られる.そこで,これまでの長期的な汀線変化の傾向を知るために1980年代から現在に至るLandsat画像の解析を行い,約30年間の河口地形変化を明らかにした.その結果,近年における重要な地形変化として,1993年の大規模出水以降に河口開口部位置が大きく左岸側に移動したことが分かった.また,even/odd解析を用いることにより,新たな河口の形成後,その箇所においてeven成分が卓越しており,このことから偏奇した開口部位置において新たなデルタ地形の形成が顕著であることが判明した.次に,ワンラインモデルの解析解を用いて,このような開口部の移動に伴う海浜地形変化に関する解を導いた.この解は,現地で見られた右岸海浜における汀線後退現象を良好に説明することが分かった.