2016 年 72 巻 4 号 p. 411-426
高架下を移設が困難な機器室等に使用している橋脚に対して,機器室等に支障をきたさないよう橋脚側面に補強部材を設置して主鉄筋段落し部を補強する耐震補強工法を提案し,その曲げ補強効果を検討した.本研究では,橋脚を模擬したRC製の既設はり側面に補強はりをアンカー鉄筋で固定したはり試験体の曲げ載荷実験を行った.その結果,補強はりが分担する荷重は既設はりと補強はりの曲げ剛性と補強範囲で比較的精度良く表せることを明らかにした.さらに本耐震補強工法を実橋脚に適用することを目的として縮小模型試験体を用いた交番載荷実験を行い,補強後の損傷形態判別係数が1.3程度となるように補強することで段落し部の損傷を防止できることを明らかにした.