抄録
ASR劣化したPC梁構造における曲げ耐荷性能評価の確立を目的とし,大型,中型試験体による約7.5年間の長期計測,載荷試験を行い,載荷試験結果を再現可能とする数値解析による曲げ耐荷性能評価の検討を行った.その際,解析の入力値として,ひび割れ密度や採取コアの力学特性を活用し,ASR劣化したコンクリートの物性値を推定する手法を構築し,ASR劣化したPC梁構造の最大荷重,初期剛性などの曲げ耐荷性能を評価することが可能であることを確認した.さらに,ASR劣化した実構造物(PC梁構造)において,詳細性能評価の要否をスクリーニングできる管理限界値の設定など,ASR劣化したPC梁実構造物における曲げ耐荷性能評価に関する提案を行った.