抄録
凍結融解作用を受けたコンクリート表層部の劣化程度を非接触かつ定量的に評価することを目的として,スケーリング測定に対する算術平均粗さの適用可能性について検討を行った.室内実験および実構造物調査を行った結果,本研究の範囲では配合や養生条件,浸漬水に関係なくスケーリング程度を定量的に評価でき,測定条件が算術平均粗さの算出に及ぼす影響は小さいことを明らかにした.また,コンクリート表面から深さ方向のひび割れ密度と算術平均粗さの関係を検討し,スケーリングを受けた表層では深さ30mm程度まで微細ひび割れが進展していることを明らかにした.さらに,ステレオカメラを用いた算術平均粗さの簡易測定を試みた.以上の結果から,算術平均粗さによるコンクリート表層部の劣化評価は十分可能であることが明らかとなった.