2018 年 74 巻 3 号 p. 158-175
PCまくらぎは導入開始から50年以上が経過し,損傷したPCまくらぎを適切に検知・交換していく必要であるが,バラスト軌道ではまくらぎ上面以外を視認できず損傷状態の把握自体が困難であった.本研究では,モード特性を用いた損傷PCまくらぎの簡易検知手法の構築を目的とし,各種の振動・打音測定を実施した.曲げ試験と振動測定,数値解析から,レール部断面に常時開口ひび割れが生じることで固有振動数が急激に低下すること,実損傷PCまくらぎの振動測定から3次モードの固有振動数が損傷度と高い相関を有することを明らかにした.また打音による簡易検知手法を提案し,実路線調査に適用することで,多点加速度測定と同様の精度を確保しつつ,効率的に損傷PCまくらぎを検知できることを実証的に示した.