抄録
高撥水性シートを用いた長期間の水分逸散抑制養生を7つの実構造物に適用し,非破壊試験によって物質透過性を測定した.このデータを用いて,水分逸散抑制養生が物質透過性に与える影響について,養生日数,セメント種類,単位水量,水結合材比など各種要因から分析した.その結果,長期間の水分逸散抑制養生により透気係数,表面吸水速度を低減できること,ばらつきが低減すること,水結合材比が大きい場合や混合セメントおよび低発熱系セメントを用いた場合に低減効果が大きいことなどを明らかにした.さらに,透気係数について重回帰分析を行い,養生日数,セメント種類,単位水量との定量的な関係を明らかにした.