抄録
地下鉄トンネルにおいて,近年,感潮域河川付近でコンクリート構造物の塩害が問題になる事例が報告されてきた.しかし,メカニズムや対策方法について十分な研究は行われてこなかった.塩害の状況を詳細に把握し体系的に対策方法を研究するため,感潮域河川とトンネル漏水中の塩化物イオン濃度の関係,塩化物イオンの構造物への侵入経路,漏水に含まれる塩化物イオンの構造物への影響範囲等を調査して,地下鉄箱型トンネルの塩害発生メカニズムを解明した.さらに,作業時間と作業空間に制約のある地下鉄トンネルに適した簡易な塩害範囲の調査方法,最適な補修材料・工法の選定を実施した.これらの知見を基に,地下鉄トンネルの塩害に対する環境条件別の補修箇所および対策工法を特定する「地下鉄トンネルの塩害対策システム」を構築した.