2019 年 75 巻 2 号 p. 142-156
施工者は,コンクリートの締固めが考慮されている配筋を行った設計の策定,コンクリートの締固めを考慮したスランプの指定を設計者に望んでいるが,既存の技術では,鉄筋の直径とその間隔までコンクリートの締固めを考慮して決めることは難しい.したがって,施工者は,決められた配筋条件と指定されたコンクリートのスランプを前提として,適切な締固め方法により,十分な充塡を確保するコンクリートの締固め計画を立てなければならないが,締固めの定量的な評価は難しいため,適切な施工計画を立てることが困難である.本論文では,コンクリートの鉄筋間隙通過に必要なエネルギーを定量的に評価するために新たに開発された評価装置と,その装置による鉄筋間隙を通過するコンクリートの締固め性の評価方法を提案した.