2020 年 76 巻 1 号 p. 21-40
本研究では,北海道内の山間部で49年間供用された実橋RC床版を用いて,寒冷地で顕在化している凍害やASRに起因する層状ひび割れが発生した床版の構造性能を評価するための材料~部材レベルでの各種載荷試験を実施した.その結果,層状ひび割れの発生深さが上縁から下側鉄筋位置の深さに達している床版では,健全時と比較して剛性や疲労耐久性が低下し,特にその発生範囲が全面に及ぶ場合に,輪荷重走行下で損傷・破壊形態の変化を伴って急速に破壊に至ることを示した.また,凍害・ASRが進行した床版においては,疲労損傷の進行程度を評価するために提案された既往のたわみを用いた健全度評価基準では,載荷する荷重によっては,健全度を的確に評価できない場合があることを明らかにした.