2020 年 76 巻 2 号 p. 109-118
設計段階におけるコンクリートの乾燥収縮率は予測式によって求められることが多い.現行の土木学会の予測式には骨材の品質の影響を表す係数αが導入されており,その予測式を用いた計算値は実測値に対して概ね±50%のばらつきとされる.骨材の品質の影響を表す係数αは4~6とされているが,骨材種類などによって具体的な数値を定めるようになっていない.本研究では,JIS規格外の品質も含めた骨材を用いたコンクリートのデータを用いて,骨材の品質の影響を表す係数αについて分析した.様々な品質の骨材を用いたコンクリートの乾燥収縮率を予測可能とするため,土木学会式をモルタルと粗骨材に含まれる水分量の関数に修正するとともに,粗骨材の品質の影響を表す係数α’の算出式を提案した.