2020 年 76 巻 2 号 p. 89-97
本研究では,ロッド状の炭素繊維補強材(CFRP)をコンクリート表層内に埋設して補強するNear Surface Mounted(NSM)工法に着目した.張出RC床版の負曲げ補強にNSM工法を用いる場合,死荷重の増加や路面高の変更がほとんどなく,特に高弾性タイプのCFRPロッドでは,張出RC床版のたわみ抑制や鉄筋応力の緩和にも有効と考えられる.高弾性CFRPロッドは引抜成形法で成形されるため,その表面は滑らかであり,コンクリートとの付着性能が懸念される.そこで本研究では,機械的ずれ止めとしてガラス繊維(GFRP)リブを装着した高弾性CFRPロッドを考案し,リブの取付方法やリブ寸法の効果を調べるため引抜き試験を実施した.その結果,最適なGFRPリブ寸法(1.5mm厚×75mm長)を定めた.