2022 年 78 巻 1 号 p. 62-71
膨張コンクリートの使用効果について,ケミカルプレストレス量を仕事量一定の仮定から定量評価を行い,これまでに対称断面となるコンクリート構造物のひび割れ抑制に活用してきた.今回,対象とする構造物の範囲を広くするため,提案した非対称断面に対するケミカルプレストレスの推定方法を実大規模の鋼桁,床版および壁高欄を有する道路橋の試験体の各々のひずみを長期間計測して検討した結果を報告する.その結果,壁高欄の打込みの順序により,非対称断面になった場合にも仕事量一定の仮定を用いて,ケミカルプレストレスを定量的に評価できることが示唆された.また,実大規模の道路橋の壁高欄において,膨張コンクリートの単位膨張材量を増加させることにより,ひび割れ抵抗性を高めて,乾燥収縮ひび割れの発生を遅延できることが確認された.