2022 年 78 巻 2 号 p. 168-178
湿潤環境で供用されるコンクリート構造物中の鋼材に対して電気防食工法を適用した場合,鋼材は防食状態にあるにもかかわらず管理指標である復極量を満足しないことがある.このため,鋼材の腐食速度を用いた防食管理方法が提案されているが,これまでに提案されてきたターフェル外挿法では実際の腐食速度よりも大きく評価するといった課題がある.本研究では,湿潤環境で腐食速度が大きく評価される要因について明らかにし,それらの要因を考慮した腐食速度の評価手法を提案した.また,実験的検討から本手法は電気防食時の腐食速度評価手法として活用できることを確認した.