土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
Online ISSN : 2185-6567
ISSN-L : 2185-6567
78 巻, 2 号
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和文論文
  • 北野 勇一, 伊藤 始
    2022 年 78 巻 2 号 p. 154-167
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/04/20
    ジャーナル フリー

     PC床版はRC床版に比較して高いせん断耐力を有することが知られているが,設計に用いることができる押抜きせん断強度の算定式は現在の国内基準に反映されていない.また,軽量骨材を用いたPC床版に関しては,プレストレスの効果について具体的に検討された研究事例が少ない.そこで本研究では,PC床版に関する押抜きせん断実験の結果をもとに,既存算定式の適用性について検討した.次に,PC床版の押抜きせん断破壊挙動に与える影響要因を明らかにすることを目的に,床版内部の応力状態を確認できるFEM解析を用いて検討した.これらの結果より,普通骨材および軽量骨材を用いたPC床版の押抜きせん断強度算定式を,土木学会のPCはり式と同様の形式により導いた.

  • 染谷 望, 望月 紀保, 大谷 俊介, 曽根 幸宏
    2022 年 78 巻 2 号 p. 168-178
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/20
    ジャーナル フリー

     湿潤環境で供用されるコンクリート構造物中の鋼材に対して電気防食工法を適用した場合,鋼材は防食状態にあるにもかかわらず管理指標である復極量を満足しないことがある.このため,鋼材の腐食速度を用いた防食管理方法が提案されているが,これまでに提案されてきたターフェル外挿法では実際の腐食速度よりも大きく評価するといった課題がある.本研究では,湿潤環境で腐食速度が大きく評価される要因について明らかにし,それらの要因を考慮した腐食速度の評価手法を提案した.また,実験的検討から本手法は電気防食時の腐食速度評価手法として活用できることを確認した.

  • 河村 圭亮, 中村 光, 竹村 雅志, 三浦 泰人
    2022 年 78 巻 2 号 p. 179-196
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/20
    ジャーナル フリー

     あと施工せん断補強筋(PHB)で補強したRC部材のせん断抵抗メカニズム解明のため,4つの条件に着目して3次元剛体バネモデルによる数値解析を実施した.1つ目に,PHBの幅方向配置間隔を狭くするとせん断補強効果が高まることを示した.2つ目に,PHBを用いた場合も断面高さの違いによる寸法効果は閉合型スターラップを用いた場合と同様であることを示した.3つ目に,せん断スパン比a/dの違いで破壊モードが異なる条件でも内部ひび割れや耐力への影響は同様であることを示した.最後に,面部材などで幅方向が一様に拘束された条件下では,PHB・閉合型スターラップを用いたいずれの場合もアーチ機構とトラス機構が増加して梁部材よりも耐力が大きく増加することを示した.本検討はa/d=2.86の条件を基本とし,1.71~4.00の範囲で同様の傾向を確認した.

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