琵琶湖では流入河川の治水対策の一環として河道の掘削や新放水路の開削が各地で行われてきた.この結果,改修が行われた河川では湖への流入土砂が激減し,河口からの土砂流入を前提として形成されてきた湖浜において沿岸漂砂とのバランスが失われ,河口部を中心とする湖浜で著しい侵食が起きている.琵琶湖中央部,安曇川河口デルタの一部をなす鴨川河口部においても,同様な原因により侵食が進んできており,現在隣接の近江白浜での湖浜復元が課題となっている.本研究では,琵琶湖(北湖)の中央部に流入する鴨川の河口部の変遷を調べ,河川から湖浜への土砂供給量の減少が周辺湖浜に及ぼす影響について考察する.