係留の安全のためには風の影響を十分に調べる必要がある。岸壁上の大きな建屋の背後に係留された船舶に働く風荷重が、風洞ではなく開水路を用いて実験的に調べられた。粗度を用いて水路床上に1/7乗則が再現され、船舶と建屋(フェンスもしくは倉庫)が配置された。船舶はSwayのみ許されている。その結果、フェンス背後の逆流域は倉庫のそれの2倍あること、風により船舶は、建屋の直背後では引き寄せられるが、離れると押されること、そして、船舶が建屋から離れるにつれて風荷重の時間平均も変動成分も大きくなり係留船舶の運動も大きくなることが分かった。さらに、風の押す力は、船舶を固定している状態より係留時運動状態のほうが少し大きいことが認めれれた。