抄録
水俣市丸島漁港に設置した浮体-釣合錘式波力発電は,ワイヤ・浮体・釣合錘・ラチェット機構、回転増幅機・発電機から構成され,ワイヤ・浮体・釣合錘・ラチェット機構のつるべ式構成により,浮体重量とワイヤ張力を介して,水面波のエネルギーを一方向に回転する軸の動力に変換する.つまり,ラチェット機構により水面(浮体)上昇時には空転し,水面下降時に動力変換する構成となっている.本論では,本装置の設置までの事前調査と設計を説明し,さらに,設計上の課題と解決策を述べる.また,設置工事の様子を述べ,発生電力などの計測結果を示す.最後に,実験中に判明した問題から,今後の課題について説明する.