抄録
我々は,青潮の原因となる硫化物を直接測定できるセンサーの海域での環境モニタリングへの適用性を検討した.また,硫化物の詳細な鉛直分布や底層近傍の硫化物を測定し,硫化物の鉛直分布特性について調べた.観測は,東京湾奥部,浚渫窪地,東京港内および芝浦運河において,2010年の8月および9月に実施された.分析値とセンサー値を比較したところ,両者の相関は高かったが,両者の値には2倍以上の差があった.しかたがって,現状では,本センサーは定性的な関係を評価するのに留めた方が良いであろう.硫化物の鉛直分布の特性に関しては,湾奥において,濃度は浚渫窪地内の1/10だったが,底層2mに硫化物が存在していたこと,また,水深4mの芝浦運河においても,比較的効高濃度の硫化物が水深3m以深に存在していたことが確認された.