抄録
汚濁底泥対策の一つに覆砂工法が挙げられる.従来工法では砂を海上やトレミー管を通じて直接投入している。これらは施工が簡便であると考えられるが,(1)濁りの発生,(2)覆砂厚の不均一性,(3)施工効率の向上,の3つの課題がある。これらを解決するための新たな覆砂工法を考案した。覆砂装置にスラリーが注入されると,断面が漸拡しており,砂粒子の速度が減少する。落下時には,砂粒子の水平及び鉛直速度がほぼ0となるため,濁りを抑制することができる。砂粒子が排出される覆砂装置の開口部は粗い網で覆われている。この網によって,装置の内外の流れを砂粒子の動きを阻害することなく分離することができる。模型実験を行い,開発した装置により薄層で均一に覆砂可能であることを示した。