抄録
本研究では,薄層覆砂における堆積特性の把握を目的とする現地調査を実施した.調査では,覆砂厚への主要な支配要因と考えられる投入材料,投入方式,投入時の水面衝撃の有無,1投当たりの投入時間を変化させた.その結果,バックホウによる直接投入では,湿潤状態にある浚渫砂は,投入時間が長いほど投入直下に堆積しやすく,ばらつきも小さくなる傾向が見られた.一方,表乾状態の山砂では,投入時間の長短に関わらず堆積厚及び変動係数はほぼ同じであった.計画覆砂厚が薄くなるほど,堆積厚の変動係数が大きくなる傾向が顕著に見られ,薄層覆砂では出来形のばらつきが大きくなることが分かった.覆砂工事での出来形管理では,計画覆砂厚より薄いことを許容しない場合が多く,薄層覆砂では,覆砂材料の割増を多く設定する必要があることが分かった.