抄録
近年,有明海や八代海では赤潮の頻発化や大規模化,貧酸素水塊の発生といった海域環境の悪化に伴う諸現象が顕在化し,大きな社会問題となっている.特に,アサリは急激な漁獲量の減少が問題となっており,水産庁や沿岸各県などによって覆砂等の対策事業が行なわれている.しかし,覆砂材とする天然砂が不足しているのが現状である.本研究では水中パルスパワー放電法により廃コンクリートから再生細骨材を回収し,覆砂材としての適用性を検討するために,アサリを用いたバイオアッセイ試験を行った.その結果,パルス再生細骨材に含まれるモルタル分を除去すれば,生態への影響は少なく,覆砂材への適用可能と考えられる.