抄録
有明海の干潟にて懸濁物質の長期的なデータ観測を行い、長期的なSSの輸送特性について考察した。係留観測の超音波流向流速計から得た、反射音響強度と流速データからSSフラックスを計算した。また、毎月1度の採泥調査によってせん断強度の鉛直分布を得た。干潟では梅雨時期以外、常にSSが堆積する傾向にあった。浅海域では梅雨時期は干潟からのSSが、ノリ漁期(1月、2月)は沖合のSSが堆積していた。SSフラックスの観測結果と軟泥の堆積状態が整合していたことから、係留観測と採泥調査の結果は整合していたことがわかった。