抄録
BaNKシステムは,波浪によって生じる往復流場に非対称形状を有する構造物を複数個設置することにより,海底付近に波の一周期平均的な一方向流れを任意の方向に生成させ,底質移動の自在な制御を可能とする技術である.本研究は,残差流の生成に寄与する無次元パラメータとしてKC数,相対ブロック高さ,Re数の3つを主要なものと考え,これら3つのパラメータが残差流におよぼす影響について系統的な室内実験により検討した.本研究で得られた主要な知見として,無次元ブロック高さが小さいほど底面付近に発生する無次元残差流速が大きくなること,KC数が8程度で無次元残差流速が最大になることなどが明らかとなった.また,残差流の予測を行う場合にブロック付近の平均的な無次元残差流速として近似的に0.067が利用できることが判明した.