抄録
沿岸域には石油や危険物を貯蔵するための施設が数多くある.これらの施設には,内容物の外部への漏洩を防ぐ目的で防油壁などの施設を構造物を取り囲むように付帯させることが義務付けられている.これらの付帯施設は,津波浸水時の本体構造物周辺の流況に強く影響を及ぼし,構造物に作用する流体力や周辺流速を大きく変化させることが予想される.このような流体運動場の変化を適切に把握することは,構造物の安定性を評価する際に極めて重要である.本研究では,波と構造物の相互干渉解析手法の一つとして開発された数値波動水路(CADMAS-SURF/3D)を用い,3次元構造物(本研究では円筒構造物)に作用する流体力と周辺流場の特性を検討した.