抄録
鳥取県米子市皆生温泉街地先の皆生海岸では,既設離岸提の施設改良事業として,海岸防御のみならず海岸景観の向上も兼ね備えた整備事業が行われ人工リーフが2005年11月に完成した.その後,皆生海岸の利用者に施設整備による事業評価の調査を行ってきた.この間,道路利用に関しては,ガソリン価格の高騰、揮発油税の低減と復活ならびに高速道路の利用料金の値下げ等,さまざまな社会環境の変化があった.TCMによる便益に変遷は,社会情勢に変化にも係らず,皆生海岸整備事業の事業便益は約10億円から12億円を示しており,社会情勢により若干の価値の上下はあるものの,ほぼ同じ事業価値を示していた.また,一人当たりの事業価値も2,000円/人/年から2,700円/人/年の値を示した.