抄録
著者らが以前,能取湖で実施した中規模野外試験時に取得した解像度の高い圧力データに画像解析のラベリング処理を施すことにより,これまでに系統的な報告がない比較的高い氷圧力領域(hpz)のランダムな特性について検討してみた.hpzの面積と荷重は直線的な関係を示し,その勾配である強度は閾値により変化する.hpzの面積を氷厚の二乗で無次元化した値や隣接するhpz間の間隔を氷厚で無次元化した値は,ほぼ対数正規分布に従う.hpzの横幅や縦幅の頻度分布はともに右肩下がりとなる.以上の統計量に基づいた乱数(荷重)を複数領域で発生させるモンテカルロシミュレーションにより,氷圧力と貫入面積との関係を試算したところその包絡線(上限)の勾配は-0.24程度と推定された.