2012 年 68 巻 2 号 p. I_1067-I_1072
これまで干拓などの埋め立てや港湾整備等による沿岸域の開発において,多くの沿岸域の自然干潟が消失し,潮干狩りなどの人と海との触れ合う機会が減少し,また多様な生物の生息場・産卵場,育成場も減少している.このような背景のもと,干潟や藻場の再生機運が高まってきているが,天然材料の枯渇および人工干潟再生に係る科学的知見も不足している.
本研究は,人工干潟材に石炭灰造粒物を用い実海域で2年間の実証試験を行い,主にアサリ育成基盤への適用性を検証した.