抄録
干潟地盤中にスラリー化した浚渫土(以下,スラリー粘土)を圧入して地盤を隆起させる工法(以下,圧入工法)は,周辺環境への負荷が少ない地盤高修復方法として既往の研究で提案されている.本研究では圧入工法の確立に向けて,干潟地盤を広範囲かつ緩やかに隆起させるための付帯技術の有効性について検討を実施した.地盤を緩やかに隆起させるためには,スラリー粘土圧入位置周辺で,事前に水平に広く軟化させることが有効であることを確認した.また,原地盤を広範囲にわたって軟化させる技術として,従来の高圧噴射撹拌工法における噴流切削技術を援用するとともに,噴射ノズルの形態等を工夫する提案を行う.さらに,これらの実験結果を踏まえた実海域での施工方法を提案する.